私はきょとんとした。



だって、


すごく楽しいんだよ?



毎日見る彼は、


寝むそうに大あくびをする彼。


ケータイ電話で楽しそうに話す彼。


お年寄りに座席を譲る優しい彼。



色々な彼を見ることが


私にとってはすごく楽しいんだ。



何気ない彼のしぐさだって


胸がきゅん、ってするんだ。



私がうっとりしている隣で


紫音が不満げな顔をする。




「もう。恋ってのはね、叶えるまで色々努力するのが楽しいの!!それで付き合ってから彼と過ごす日々がもっともっと楽しくなるんだよ。」




うん、うん、


と紫音の意見に頷くクラスの皆。



私はそれを見て姫に助けを求めた。




「姫ちゃーん!皆がー!」




「うーん、確かに美紗の考えもあってるけど……。私は紫音の意見に賛成だな。」




そう言って困ったように笑う姫。