今、私は五十分という限られた時間の中で学生の敵、テストと戦っていた。

時計を見るとあと十分だった。

この十分を乗り切ればもう帰れる!

そんな事を考えてしまうと頭がぼーっとしてしまう。

でももう分からないからいーや。

私はそう思ってシャープペンを机の上に置いた。

大体考えてみれば今回のテストでいい点が一つも取れるはずがない。

普段から勉強なんてしていないが今回なんて特にしていない。

千秋からの告白で勉強するどころじゃなかったのだ。

告白を思い出すと顔が赤くなった。

はっきり言って未だに信じられない。

だってあの千秋が。

可愛い女の子や真面目な女の子、色々なジャンルの女の子から告白されても断っていたからどんな女の子がタイプかと思えば、単純で?鈍感で?馬鹿な奴?

そしてそれが誰かと思いきや、可愛くもない頭も良くないこの私か!?

私が思うに千秋の目は腐っている。

思考回路もおかしいと思う。

でも告白された事は正直嬉しかった。

今まで男の子に「好きだ。」なんて告白された事なんて一度もなかったから。

もしや私、今年「モテ期」というやつなのか?

なんて思ったが、ナイナイと自分でノリ突っ込みをした。