1センチの距離


「って,脱線しちゃったけどさ,景品……どれにする?」


「そぅだった!2人共,この中から好きなもの選んで」


壱依の持つ箱を見ると,マスコットやビーズアクセ,ストラップと,女の子向けの景品が多数入っている。


「……かわいいのばっかりですね?」



ゲームは男向けなのに……と思い,ポソッと呟く棗。


棗の呟きが聞こえた千夏は変でしょ?と笑いながら答えた。


「男子はゲームをして,獲得した景品を彼女とか気になる女子にプレゼントしてるんだよ」



「そぅなんだ……」


納得した棗。


「なんか告白するみたいだね」


杏がマスコットを手に取り言うと,


「んー,あながち間違いではないんだよなー」


壱依が苦笑しながら言った。



「え?」

「何かあるんですか?」



棗が気になり深く聞こうとしたその時,