1センチの距離


杏と棗にとって,大学見学も兼た学祭。


“他の店”も見ないと見学にならない。



「えっと……じゃぁ,私コレが欲しいです」


「あたしは色違いのこの子にします」


杏は水色の,棗はオレンジ色のリボンを付けたウサギのキーホルダーを手に取った。


「2人お揃いにするんだ。仲良いね」


千夏の言葉にありがとうございます,と微笑み言う2人。




「ゲーム楽しかったです。ありがとうございました」


「景品も,かわいいの貰えてすごく嬉しいです。ありがとうございました」


千夏達にお礼を言う2人。


「こちらこそ,来てくれてありがとね!もしこの大学に来ることになったら,遊びに来てね」


「「はいっ!」」


杏と棗が離れて行く後ろ姿を見送る3人。



「……後輩として入ってこないかなぁ?」


「……どぅやろーな」


「そんなこと言って,嵐士も入って欲しいって思ってるんでしょ?」