真っ白だった
頭の中に友里の声が
響いたーー。
息が吸えるように
なった…
体が動く…
『希美!
急いでここから
逃げるよ!!』
友里の声が聞けて
少し安心した……
今、私達に
できることは
“逃げること”
そぅ、思ったーー。
気づいたら、
あたしは友里の
手を引っ張って
走り出していた。
必死に足を前に
出した…
これ以上
走れないぐらい
全力で走った…
なんとか、
家に着けそう
ーーそぅ、思った…。
そのときだった……
曲がり角から、
この世のものとは
思えないぼどの
“化け物”が
姿を表した…………

