「ねぇ、何か言ってよ。こっち見なさいよ」


無理矢理上げさせたコウタの顔が真っ赤で、意味がわからず交わった視線。


「…それって、僕のこと好きってことだよね?」



…え…



「それって、さっちゃんが、やきもち妬いてるってことでしょ?」


…えぇっ?

思考回路が追い付かないのに、キラキラ輝くコウタの顔



「それってやっぱり、さっちゃんが僕のこと好きってことだよ!」

ズシンと響いた言葉に身体中の熱が顔に集まる。


「…さっちゃん、顔真っ赤…」


「…もう言わないで」


これ以上コウタのペースに呑まれたら、ゆでダコになっちゃう。


立ち上がろうとした私の手を優しく包むコウタの手


渡された紙袋を手に見返したら、私以上に真っ赤な顔で、優しくコウタが言った。



「ハッピーバレンタイン、さっちゃん骨まで優しく食べてね」


「…っ!」



END