「…そっか。怖かったね」



俺はそっと桜ちゃんの涙に手をのばした



今度は怖がらせないようにそっと。



「はい…凄く怖かったです。マナたんとか呼ばれて…」



マナたん!!??



何だそりゃ・・・



「何かスッキリしました。聞いてくれてありがとうございます」



本当は嘘でしょ?



俺はその言葉をのみこんだ



本当はその犯人を捜して殴ってやりたい。



警察につきだしてやりたい



でもそうしたらきっと桜ちゃんはまた泣き出してしまう



もう桜ちゃんの涙は見たくない



「そっか。それなら良かった」



俺は偽りの笑顔を見せた