「ちょっと、こういち!?聞いてんの?」

「ああっ、ゴメン。何?」


電話の向こうに居るのは、仕事仲間の優さん。

優ってのもコードネームだから本名は知らない。


彼女はメールできた依頼から、俺にふさわしいのを選んで仕事をまわしてくれる人。
一応上司・・・になるのかな?



自分が所属してるのに言うのもなんかおかしいかもだけど
実は俺自身、自分の仕事の全部を把握してるわけじゃないんだ。

解かってるのは


『capricious-cupido@xxx.co.jp』
ってメールアドレスに恋愛相談をしたら有料で恋のお手伝いをしてくれること。
ただし学生限定。(理由は知らないけど)

料金はケースバイケース。
1000円くらいでやっちゃう時もありゃ
10万円くらいの時もあるんだって。

んで、このお金が成功報酬として俺んとこきたり
組織の維持費になったりするっぽい。



俺以外にもたくさん仲間はいるみたいなんだけど、ほとんど会ったことないから何人くらいいるのかも知らないや。


たまに数人でチーム組んで動くこともあるけど、単独行動が基本だからなぁ・・・



一番身近なのが、この優さんなんだけど。。。




電話ばっかで顔みたことないし。




組織の名前も知らない・・・てか名前あんのかな?




俺たちの活動は微妙に噂になってて(とはいっても都市伝説みたいなもんだけど)




巷では【クピド】って呼ばれてるらしいけど。