「ユズコ?」 名前を呼んで、奏太があたしの前髪をかきあげて、おでこに触れた。 傷跡が残っていることを指先で知って。 奏太はやるせなさそうな、切なそうな。それでいてほんの少しだけ、幸せそうな顔をした。 ―――なにそれ、反則でしょ!