後に残されたのは、せめてもうちょっとぐらい余韻に浸りたかった、いちゃこいても罰当たらないんじゃねぇのなんて心底思ってた俺のため息と。


「あんたたちの進歩亀並ね」


なんて的確すぎた千沙ちゃんの突込みだった。

いや、いい。しょうがない。これが俺だ。もとい、ユズコだ。


「うん、まぁいいよ。今始まったばっかりだしね」

気長に行くよ。
半ば言い聞かせる調子のそれは深い夜に溶けていった。