「ねぇ、優姫。キスしてもいい?」 新君が私をまっすぐ見つめて尋ねる。 「面とむかって聞かれると照れるよ!」 「だよな。じゃあもう聞かない。」 そう言って新君は私の頬に触れた。 昔から思ってた。 この人の手はどうしていつもこんなに温かいんだろ……? そして、新君はそっと私の唇に、自分の唇を合わせた。 それは、本当に優しいキスだった。 笑おう、そう思ってたのに、私の目からはまた涙が零れたんだ。