景色があっという間に通り過ぎて行く。


この通り過ぎた景色の数だけ、着実に近付いてる。
……新君へ。

隣りにいる徹平は、朝、待ち合わせ場所に現れた時から口数が少ない。
今だって、俯いて考え込んでいる様子だ。


……何を、考えてるのかな?

徹平は新君に会いたいだけだって言っていたけれど。



「優姫。」

「うぁ……えぇ?」

「は?何言ってんの?」

う……笑われた。
だっていきなり話しかけられたから、びっくりしたんだもん。

「もぅ!何よ!?」