徹平は私を連れて屋上まできた。 キーンコーン…… 「てっぺぃ、授業……」 「いいよ。お前、泣いてんじゃん。」 徹平は何も言わない。 「……忘れるって、難しいね。」 「優姫は何を忘れたいの?」 『ちゃん』がなくなってるな、と思った。 どうでもいいけど。 「……大切な人との、思い出。」 「……そんなの、忘れるべきじゃないじゃん。」 「……駄目なんだよ、忘れなきゃ。前に進めない。卓斗君や、みんなも、いつまでも気にしてしまう。」 「卓斗?あぁ、あのよく一緒にいる男か。」