君へ贈る愛の歌



俺の曲を聴きながら一生懸命リズムをとっている大地と花がすっごい可愛い。


なんだか今にも踊りだしそうな勢いだね。



「にーちゃん、すごい!!」

「花も奏大くんみたいにひけるようになりたい!」



小学生になったとき、みゅうのために作った曲を弾いたらこんなに喜んでくれた。


みゅうと一緒にいて、楽しくて嬉しくて・・・そんな気持ちをこめた曲。


大地と花をみてたら自然とこの曲を弾きたくなった。


小学生の俺がつくったから単純なメロディーなんだけどね。



「花も、もうすこし大きくなったら弾けるようになるよ」



今は力も弱くて、手も小さいからね。



「にーちゃんの一番得意な曲ってなに?」

「そうだな・・・。愛の歌、かな」



みゅうへの愛しさをこめた、曲。




「お歌がついてるの?それ聴きたい!」

「んー・・そうだなぁ。踊りたくなるような曲ではないよ?」



4歳児が聴くには少し大人な感じの曲調なんだよね。


さっきの曲は動揺チックだったけど、こっちはバラードっぽいし。


小児科に似合わないような気がするなぁ。



「いいじゃないか、是非私も聴きたいな」



ふいに聞こえた声に振り向けばそこには悠真先生がいた。



「それにね、君のファンはこの子たちだけじゃないみたいでね?同僚や、この子たちの保護者からも評判が良いんだよ」



いつの間にそんなことに・・・。


ファン、か。


みゅうもいっつも言ってたな。


あたしはかっちゃんのファン第一号なの!って。



「じゃあ・・・あと一曲だけ」



もう、みゅうに届けることが出来ない曲を。