君へ贈る愛の歌




「奏大にーちゃん!」

「奏大くんだっ!!」



あれから数日、俺はお昼すぎに小児科にきてピアノを弾かせてもらってる。



「大地と花~!今日はちゃんと昼飯くったか?」



4歳の男の子と女の子。


呼吸器系の疾患で1年以上入院をしているらしく、ピアノを聴きにいつもきてくれる。



「あのね、にんじん残しちゃったの・・・」



花がそう言って、しゅんとする。



「でもね、花ちゃんはよく頑張ってたんだよ!ボク見てたから分かる!えらかったね、花ちゃん」



大地が花の頭を撫でて、慰めると・・・



「大地くん、大好き~」



花が大地に抱き着く。


なんか、昔の俺とみゅうを見ているみたいだ・・・。


これから先、みゅうに何かあったとき俺はそばにいてやれないんだね。


こうして、抱きしめてやることも出来ないんだね。



「にーちゃん、ピアノ弾いて!」

「奏大くんのピアノ楽しみ~」

「よし、おいで」



大地と花をピアノのすぐそばに座らせる。


目がキラキラしてんな・・・可愛い。