君へ贈る愛の歌



『じゃあ、なんでそんなこと言うの?あたしの気持ちは?あたしはかっちゃんと一緒にいたいよ!!離れたくなんかないよ!!』


みゅうの言葉に胸が痛む。


俺も、一緒にいたいよ。


そうやってみゅうに言いたい。だけど言えないんだ。



『みゅう・・・いいんだよ。俺だけに縛られなくても、いいんだ』



これは、ズルい言い方かもしれない。


だけど・・・俺がずっと思っていたこと。


みゅうは本田先輩にも惹かれてるんじゃないかって。


ずっとずっと幼い頃から、俺だけを見るように仕向けてきた。


みゅうが気づいてなかっただけで俺がみゅうの檻になっていたんだ。


だからみゅうは俺に恋をするのが当たり前で、俺だけを見るのが当たり前だと思ってる。


けど、そんな檻をものともせずに本田先輩はみゅうに接してきた。


気づかないうちに、俺以外にはガチガチに閉ざしていたみゅうの心のなかにすっと入り込んでしまったんだ。


それに気づいてしまった俺は嫉妬するに決まっていて・・・。


散々囲っておいてズルいとは思うけど。


確証が欲しかった。


みゅうがこれからいろんな人と接して、色んな人と触れあって。


それでもみゅうが俺のことを一番だと言ってくれるなら・・・・・。