君へ贈る愛の歌


キーンコーンカーンコーン


授業終了のチャイムがなって、あたしはようやく息苦しい教室から解放された。


っていってもまだお昼休みなんだけど・・。



「お弁当もって・・っと」



注目を浴びてしまわないように、お弁当を素早く手にしてそそくさと教室から出た。


あの後・・。


本田先輩が教室から去った後には、騒ぎに気づいた先生たちが数人やってきて野次馬を各々のクラスへと帰らせたんだけど・・・。


授業と授業の間の休みであたしは好奇の視線に晒されることとなってしまったわけで・・。


あたしはその数分間の休み時間すらトイレへと逃げ込んでいた。


変わらなくちゃダメってことは分かってるんだけど、まずどうしていけばいいのか分からなくて。


とにかく冷静になるために一人きりになれる空間を探してはそこへ逃げ込んじゃった・・。



「弥生!」



お弁当を二つ持って渋々本田先輩の元へ向かうため、廊下を歩いていたら後ろから呼び止められた。



「鈴木くん?」



今朝あたしのことをずっと好きだったと公言した鈴木くんだ。


な、なんの用なのかな。



「飯、くいにいくの?」

「え?あ、うん」

「・・・・・俺も、一緒に食べていい!?」



はい!?


なんでそうなるの!