「てめーらもくだらねぇ!あいつらと変わんねぇじゃねーか!フニャフニャ野郎がいなくなった瞬間に好きだなんだとほざきやがって」
さっきあたしのことを好きだと言った鈴木くんの胸ぐらを掴んだ本田先輩。
迫力ありすぎて鈴木くん怖がってるよ・・。
「好きだ好きだと言いながら、ブスのためになることは何もしてやんねーのな?そんな好きなんかクソくらえだ。惚れた女を手に入れるために何もしなかったよーなお前は、さっきのヤツらと同じだ。ふん、ダッセェ奴。結局てめーらはフニャフニャ野郎に何一つ勝ててなかっただけだろーよ」
放り投げるように鈴木くんの胸ぐらを離した本田先輩。
「いいか?コイツに何かあった時には・・・俺が黙ってねぇ。無論、アイツもだろーけどな」
アイツってやっぱり、かっちゃんのことかな。
「フン、いいかブス。これがお前に対する周りの本音だ。こっからさき、どうすんのか決めるのはお前だ。じゃあな」
最後にあたしの頭をポンポンとして教室から去って行った。
嵐が去って行ったような感覚だよ・・。
こ、この雰囲気をどうしろっていうの本田先輩!!
一人だけカッコつけて去って行っって・・。
でも、ありがとうって思うのは気のせいじゃない。
本田先輩の言葉が、あたしの胸にはちゃんと刻まれたから。
ずっと、逃げてた。
周りと向き合うことから。
かっちゃん以外の人から、逃げていた。
だから今、こんなことになってるんだよね。
あたしが・・・変わらなくちゃダメなんだ。


