「ありがとうございました・・・」
お風呂から出て、顔面が崩壊してることに気づいたからあたしはタオルを頭から被って出た。
「ふっ。いい匂いになったじゃねぇかよ」
ソファに座ってた本田先輩が立ち上がってあたしのタオルを奪い取って髪をわしゃわしゃと拭いてくれている。
顔をみられたくなくて、本田先輩を見ることが出来ない。
グイッ
顎を救われて、本田先輩の視線につかまる。
鋭い視線に、心まで見透かされそうであたしの心臓はバクバクしてしまう。
もう、見透かされてるんだろうけど。
お願い。
あたしの心に踏み込んでこないで。
怖いんだよ。
かっちゃんのことに触れられてしまうのが。
「ブスがドブスになってんぞ?」
そう思ったのに、本田先輩はただ毒づくだけで何にも触れてこない。
「こんな無防備で、お前アホだな」
髪の毛を一筋すくって口づけてくる本田先輩。
なんで、あたし・・・胸がはねてるの?
本田先輩の視線に、熱を感じてるの?
なんで・・・・。


