「風呂、入れよ。めっちゃくっせーぞ」
ミルクを飲み終えて、本田先輩にそう言われた。
「す、すみません!あたし先輩のベッド泥だらけに・・・」
「こまけーこと気にしてんじゃねーよ。とにかく、その格好どうにかしねぇと風邪ひくだろ。風呂わいてっから入ってこい」
さすがに遠慮してすぐにでもこの場を去ろうとしたのに、本田先輩はあたじに着替えのジャージまで押し付けてくる。
なんで、この人は優しいの。
あたしなんかに、優しいの?
「あ、りがと・・ございます」
本田先輩の優しさに甘えて、お風呂をかりることにした。
「う、たしかに・・くさい」
濡れたままの格好で寝てしまったせいで、洗濯をしたときの生乾きの匂いが体中からしてるし・・・。
先輩にベッドのシーツ諸々弁償しなくちゃ。
本当、あたしって迷惑ばっかりかけてる。
こんなだからかっちゃんは・・・あたしと距離を置きたいと思っちゃったのかな。
かっちゃんに、迷惑をかけて生きてきて。
今は本田先輩に迷惑をかけてしまっていて。
かっちゃんに安心して頼ってもらいたいなんて思ってたくせに、結局はそれと反対のことしてる。
あたしの、バカ。


