君へ贈る愛の歌





目の前に現れたのは、白い天井。



「どこ、ここ・・・」



何故かあたしは黒いベッドの上にいる・・。


最後の記憶は、土砂降りの中投げやりに座り込んで目を閉じたこと。


誰かがあたしを抱き上げてくれた気がしたけど、かっちゃんじゃなかったんだ。


かっちゃんの部屋ではないし、かっちゃんから決して香ることのない煙草の香りがする。


かっちゃんかと思った。


かっちゃんが、良かった。


黒いベッドから起き上がる。



「起きたか、ブス」



部屋のドアが開いて、現れたのは・・・



「本田先輩・・・」

「あんな土砂降りの中外で寝るとかアホか。ったく、フニャフニャ野郎といいブスといい俺様に重労働ばっかさせやがって」



そんなふうに毒づきながらも、本田先輩の手にはマグカップがあってあたしの目の前に差し出してきた。



「体ひえてんだろーが。飲め」



マグカップの中身はホットミルク。


毒を吐くくせに、優しいんだこの人は。