君へ贈る愛の歌



初めてだ、


かっちゃんにこんなふうに感情的に怒ってしまったのは。


初めてだ、


かっちゃんとこんなふうに衝突したのは。


初めてだ・・・かっちゃんがあたしから離れようとしたのは。


もやもやする。


不安になる。


かっちゃんが今まであたしにくれていた愛情を疑うわけじゃないけれど、


かっちゃんの大好きって言葉を疑うわけじゃないけれど、


あたしの愛情は?


あたしの大好きは・・・伝わっていなかったの?


十年以上一緒に生きてきたのに。


一番近くにいたのに。


家族よりも・・・傍にいたはずなんだよ。


どうしていいか分からなくて、土砂降りの地べたに座り込んだまま目を閉じた。


このまま、寝ちゃいたいな。


なんて思ってしまうくらい、あたしには居場所がないよ。


どのくらいこの場から動いていないんだろう・・あたし。


それすら分からないよもう。


なんか眠いし・・・寝ちゃお・・。


フワッ


地面から離れていく、あたしの体。


誰?




「かっちゃん・・・?」




そこであたしの意識は途絶えた。