君へ贈る愛の歌



今、かっちゃんは何をしているのかな。


何を見ているのかな。


あたしのことを、少しでも考えてくれているのかな。


あのね、かっちゃん。


かっちゃんがずっと傍にいてくれた間、あたしはかっちゃんのことばかり考えていたの。


だけど、かっちゃんが傍にいない今。


今まで以上にかっちゃんのことばかり考えてるよ?


こんなに好きなのは、この世界で唯一かっちゃんだけだよ。


そばにいてもいなくても。


あたしの心の真ん中にかっちゃんがいるんだよ。


友達が出来ても、


あたしのことを好きだと言ってくれる人が現れても、


それでもあたしの軸はブレない。


だから、かっちゃんを探して会いに行くの。



「でも、見つからないんだよね・・・」



これからどうやってかっちゃんの手がかりを掴めばいいんだろう。


きっと本田先輩は教えてくれないだろうし。



コンコン



頭を抱えて悩んでいたら玄関のドアがノックされた。


本田先輩は出ていったし、ノックするわけない。


しかもこんな山奥に勧誘とか来るわけないし・・・。


訪ね人?


でもそれはそれで怖いよ~・・!


なんたって山奥なんだもん!!


とりあえずスコープから覗くと・・・



「菊子ちゃん!!」



そこにいたのは菊子ちゃんだった。



「菊子ちゃん!!どうしてここに?」

「・・・何日も学校に来ないから心配してきたのよ。はぁ、元気そうで何よりね。じゃ、帰るわ」



菊子ちゃんはそれだけいうと踵をかえしてしまった。



「ま、待って待って!!よかったらあがって行って?」



とりあえず菊子ちゃんの腕を掴んで帰るのは阻止。


こんな山奥にわざわざ来てくれて、心配したと言ってくれた。


そのことが・・・とっても嬉しいよあたし。