―――『――何でもないよ。さてと、そろそろ帰るか』 これ以上ここにいたらボロが出ちゃいそうだ。 時計は7時を指していた。 それに奏多の話をされると涙を堪えるのが限界に近づきそうだ。 ――が、どうやって帰てば良いのか正直全く分からない。 分かることは学校からマンションとは反対方向に車が出発したということだけ。 ――「行くぞ」 『…慎』 慎が隣の部屋から起きて来た。 どうやら送って行ってくれるみたい。 ――かなり助かる