――『…ねぇ、雷龍の副総長って誰なの?』
実は私はまだ誰が副総長なのか知らない。
ずっと気にはなっていたが中々きく機会がなかった。
「副総長は、葵だよ。」
っと勇悟がゲームのリプレイボタンを押しながら言った。
――葵なんだ
『そうなんだ。』
―――「そういや、お前なんで奏多さんのこときいたんだ?」
晃がきいてきた。
――晃、その話題を引っ張りだしてこないでほしかったな……
本音を言うと実は私は奏多の"死"を乗り越えられてない。
家族で唯一私に優しくしてくれた姉を失ってから2ヶ月もたたないうちに最愛の奏多まで失った私には"希望"・"夢"なんて言葉はなかった。
――さっさと死にたかった。
早く大好きな人たちの元へ行きたかった。
私の右手には"リストカット"の痕。
左利きの私は右手首ばかり切っていた。
大抵の人は右利きだから誰も右手が傷ついているなんて思わないだろう。
