『……涼さん?』



「俺の兄貴だ」



慎が総長専用席みたいな所に座りながら教えてくれた。



慎のお兄さんなんだ。



確かに少し雰囲気が似ているかも。



――奏多



制服で隠れて見えないネックレスをそっと制服の上から握りしめた。



写真の中で奏多は笑っている。




―――雷龍に入ったことで私の運命の歯車は私の知らない所で再び動き始めた。




まるで1年と半年前の事件の忘れかけていた謎を掘り起こすかのように―――