――案内された場所は、幹部たち専用部屋みたいな所。



そこに晃も居た。



「俺たち専用部屋だよ。」



――かなり広い。



大きな薄型テレビを始め、ソファーや冷蔵庫、冷暖房は勿論のこと、ゲーム機そしてなぜか部屋の隅にはアップライトピアノまであった。



『…ピアノ?』



雷龍のアジトにピアノがあるなんて吃驚だ。



なぜなら、神龍のアジトにもピアノがあったから―――



「あー、それね、今は殆ど使うことがないんだけど、初代のご好意で置いてたんだよ。」



葵がピアノの上の埃を叩きながら言った。



『初代?』



「雷龍はまだ歴史が浅いんだよ。」



『…どういう意味?』



「ようするに慎で3代目だということ。」



『――っ!』



ピアノの上にある写真たてを覗いた瞬間言葉をなくした―――