「俺は親父さんの知り合いの神崎 龍弥。彫り師だ」 「彫り師…ですか」 あの子に入れたのはこの人か 「俺は親父さんからいつか千秋を本当に好きで守れるやつがここに来ると言われた」 「…」 俺だって思ってたのか…… 「それはお前で間違いないか?」 「はい」 俺は迷わず答えた。 「その証として左手の薬指に十字架を入れてもらうことになってる」 あの子の十字架の意味…… 「入れます」