「…ねえ」


沈黙が続いてる中で
沙羅が話しかけてきた。


『ん??』


「2年前の“出来事"…
今日話し合わない??」


『…ッえ…』

正直、ビックリした。
沙羅は勉強熱心って事も
あるし、
一番その話題にふれなかった
のは沙羅だから。


「私、怖い。
拓磨達の事忘れそうで」


『…そうだね。
今日は勉強やめよっか。』




-沙羅家

「あの“出来事"のせいで
全寮制は取り消しになった
んだよね…」

『うん…
それに私達の部屋めちゃ
くちゃにされてたし…』


「今考えれば、凜は助けて
もらったよね…愁に。」

『頭がきれる愁も“あのメール"
を受信してくれててよかった
って思う…私、最低だけど』

「いや、きっと私でもそう思う。」



“出来事"
“メール"


それを意味する事…


私達は2年間
その単語に怯えてきた。


そして…

アイスクリーム
イチゴ

…簡単に溶けたり潰れたり
するもの

今はイチゴは食べれるけど…

アイスクリームは無理。



あれは“出来事"なんかの
言葉で済ませれる事
じゃない。


あれは、最低最悪の
殺人事件だったんだ。