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鳥籠を飛び立つ小鳥も、きっと今の私と同じ気持ちなのだろう。

閉ざされた空間しか知らず、狭い空間でしか羽ばたく事ができなかった私は、自分がちっぽけな存在なのだと無理に思い込んだ。けれど、扉は開いていた。外という世界への入口が、自ら飛び立てと促していたのだ。
だったら飛ぶしかない。……ずっと飛びたかった気持ちごと、羽ばたくしかない。

私は改めて鳥籠を眺めた。

小さな私を見下ろす城。
……圧迫されて私はさらに小さくなった。
一段と広かった緑の庭園。
……けれど限られた広さに狭さを感じた。
頑丈さは健在だと示す城壁。
……私からすれば檻にしか見えなかった。
そして、通行者を睨む城門。
……既に開いた扉が巣立ちを楽しみに待っている。

シルク「────行こう」

自分を奮い起こし、翼に力を込める。
私はもう“鳥籠の鳥”ではないんだ。城も庭も壁も門も、私を閉じ込めはしないんだ。
だからもう一度、大空を仰いで自由になるんだ。

さぁ、スタートラインを越えよう。
何もかもが、ここから始まっていく。