スレッド「準備は整ったか? 忘れ物はないか? 用意できる物があれば……」

シルク「大丈夫です、お父様」

スレッド「むぅ。……フィルや、くれぐれも娘を頼むぞ」

フィル「それは無論であります。……ですが。何故私も、なのかが未だに疑問なのですが」

スレッド「いや、なんだ。流石に年頃の娘が若い男と二人旅、というのも」

アレイド「あれ、俺ってば警戒されてる?」

スレッド「冗談だ。……逆に、娘一人では何かしら負担を掛けると思い、フィルにはある意味荷物持ちを任せたまでよ」

アレイド「そうか! その雑用みてぇな役にこの見苦しい顔が適任だったワケだな! 納得納得!」

フィル「見苦しい顔とはなんだ貴様ぁ!」

アレイド「痛っ、イタタタタタ!」

コットン「……シルク。旅先でも手紙くらいは送るのですよ。私も、愛娘がいなくては寂しいものですから」

シルク「手紙、ですか? ……分かりました。初めてですので、上手に書く自信はないのですが」

アミティ「お言葉ですが姫様。文とは書きたい事が記されていればそれで十分なのですよ? 日記だと思って書くのもよろしいかと」

スレッド「これまた月並みだな、アミティや。間違った事は言ってないのだが」

シルク「……日記、ですか」

コットン「ええ、そうですね。文面はどうであれ、楽しみにしていますから」

スレッド「まあ何よりだ。三人とも無事である事、幸運である事を祈っている」

スレッド「は、はい!」

アレイド「へへ、そっちもな」

シルク「行って参ります」