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魔物に宿る生命力、即ちエネルギーを仮に魔力とする。
その魔力の利用を可能とする術、それこそカードを媒介とした『魔法』である。

魔法とは厳密に言えば魔力の転換で、より魔法らしい発火などは二次的な応用に過ぎない。逆に、魔力の転換を極めれば得られる結果は多岐に渡る。
ただし、転換にはカードだけでなく精神力が必要とされる。これは言わば人間に対する制限、或いは条件のようなもので、精神力の規模に応じて魔力の転換率は左右する。
よって魔法行使における最重要点は、如何に精神力を扱えるか、といった内面的な問題に当る。
しかし、精神力とは自由に操作できる力ではなく、この場合は燃料と喩えるのが適当。つまり“精神力を扱う”とは巧く燃料を活用する事なのである。
無論、精神力とて限界がある為に燃料は有限。必要最低限の浪費に留める事は必須であるのだが。

カードは魔力を収容する役割のみならず、あらゆる物体を魔力へと変換する事をも可能とする。即ち、カードにより換えられた魔力を魔法として転換、行使する事が可能となる訳である。正確にはこの行為こそが魔法と呼ばれる。
例えば、ある物体をカードにより魔力に変換してやると、その物体をカードの中に収容する事ができる。その際、絵柄はその物体の絵となり、カードの色は『無色』となる。
火が『赤色』、水が『青色』、電気が『黄色』、自然が『緑色』なのは魔物本体から抽出された魔力である証拠であり、純粋な魔力である証拠である。