容易に二人は寝られそうな大きなベッドに、私の小さな身体を一つ沈める。
広すぎる上にとても軟らかなベッドは疲労を取り除くのに最適であり、自然と快適な眠りへと誘ってくれる。

いや、そうでなくとも。
見た事のない、あるいは空想の中でしか存在しないはずの異形と、
同じく空想の存在であり、神秘とも言える奇術の延長……『魔法』、
それと、アレイド。

……一挙に、タイヘンが3つ重なったおかげで私の精神は参っている。肉体的な疲労は少ないけれど、十分な睡眠が必要となりそうだ。
その点で言えば、怪我人だったお父様、気絶していたお母様は平気だったのだろうか。自分の身には何も起きていない、といったご様子で魔法を見ていたけれど、私以上に疲れてたのは間違いないのだ。
……まぁでも。問題はなさそうだったし。その辺りは“精神が強い”と結論付けておくとしよう。

シルク「はふぅ」

布団は暖かく私を呑み、早速癒しをもたらしてくれた。情けないような私のため息がその証拠である。
身体が休んだところで、少し振り返ってみる。