偏に“精神を使う”“方向を合わせる”と言っても、それは人並みの働きでかばいきれるものではない。平常に生活していく上で、意識的に、意図的に操作するものではない。可能にしようものなら、それ相応の時間と鍛練が必要不可欠事項のはずである。

アレイド「ふーん。何だか知らねぇが、これであいつを見返せるかもな! あ、それとこんなことも出来るようになったぞ」

彼の片手に握られる、古びた剣。
過去、銀色であっただろうその刃も、今では錆びついて赤褐色になっていた。
剣、というのは外見だけで、その用途で真価を発揮することはないだろう。

しかし瞬間────

シンディ「な、なに……? 燃えてる……違う、燃えてるなんてものじゃない?」

一枚のカードが刃を横切れば、時に取り残され、屍となった剣に朱の生命が纏う。
敢えて言うなら『火炎剣』。
剣が朱か。朱が剣か。
どちらにしても二つは一体、別の何かとなっていた。

アレイド「組み合わせるっつーのか? 魔法は色々なコトができるんだなー。────ま、これもシンディのおかげだな。サンキュ」

さも嬉しそうに笑うアレイド。感謝の気持ちがその顔に表されている。