「ハハハハ。現実逃避ってやつか?」


今度は笑いがこみ上げてきた。


しかし、とても自分の声とは思えないほど気の狂ったような震えた声だった。


その震えから、現実に引き戻された。


「嫌だ……嫌だ……嫌だ!」


突然訪れる、猛烈な恐怖。


気が狂ってもおかしくない気分だった。


「死にたくない……死にたくねぇよぉ……」


そんな状況でも泳ぎ続けているのは、生きたいという本能からなのだろうか。


そのとき、前方に再び緑の文字が見えてきた。


『正解』


その文字が、最初は理解できなかった。


「え……正解……正解?」


まさに、疲労も吹っ飛ぶような気分だった。


歓喜の声を叫ぶ蓮。


「やった!やった!」


まさか、3分の1に当選できるなんて……!


自分の運に感謝した。正解ルートを選べたということは、まだまだ生きる希望がある。


だが、難関はある。ここのボスを倒せるか、そしてラスボスを倒せるか。


そのときだった。


「え……」


再び、別れ道。


今度は、10本。


もう、声も出なかった。


これを作った奴は、どれだけやれば気が済むんだ……