二葉と直樹は動いていない。
そして、蓮は真っ直ぐ扉をいくつか開けただけ。
それだけで、戻ってきた……。
その場に崩れ、呆然と座り込む蓮。
その蓮の胸ぐらを、直樹がつかみあげる。
「だから言っただろ!どうしてくれんだよ!」
目を大きく開いて、蓮に狂ったように怒鳴る直樹。
「仕方ねぇだろ!あのままじゃ、二葉が死んでたじゃねぇか!」
臆することなく、蓮が反論する。
「だったら女だけが勝手に入って毒消し草取ってくりゃよかったじゃねぇか!」
「そんなこと、今さら言ったって遅ぇだろうが!」
「くそ!」
蓮を乱暴に突き放すと、直樹は両膝をついて地面を殴った。
「……」
しばらく、沈黙が走る。そのときだった。
『脱出したければ……このと……から……二人……てください。』
天井から途切れ途切れに聞こえてくるアナウンス。
その声に、三人は天井を見上げた。
「え?」
何もない、灰色の天井。
しかし、確かに聞こえた。
「何だ、今のは?」
直樹が呟く。
「さぁ……」
二葉がボソッと答えた。
「おい、何だよ!」
蓮が天井に怒鳴る。しかし、返事はない。
そして、蓮は真っ直ぐ扉をいくつか開けただけ。
それだけで、戻ってきた……。
その場に崩れ、呆然と座り込む蓮。
その蓮の胸ぐらを、直樹がつかみあげる。
「だから言っただろ!どうしてくれんだよ!」
目を大きく開いて、蓮に狂ったように怒鳴る直樹。
「仕方ねぇだろ!あのままじゃ、二葉が死んでたじゃねぇか!」
臆することなく、蓮が反論する。
「だったら女だけが勝手に入って毒消し草取ってくりゃよかったじゃねぇか!」
「そんなこと、今さら言ったって遅ぇだろうが!」
「くそ!」
蓮を乱暴に突き放すと、直樹は両膝をついて地面を殴った。
「……」
しばらく、沈黙が走る。そのときだった。
『脱出したければ……このと……から……二人……てください。』
天井から途切れ途切れに聞こえてくるアナウンス。
その声に、三人は天井を見上げた。
「え?」
何もない、灰色の天井。
しかし、確かに聞こえた。
「何だ、今のは?」
直樹が呟く。
「さぁ……」
二葉がボソッと答えた。
「おい、何だよ!」
蓮が天井に怒鳴る。しかし、返事はない。


