「……は?」


出口の扉の向こう側にはさっきの山の頂上ではなく、新たに部屋があった。


まるで、蓮たちがいる部屋と同じような……。


「まさか……」


絶望の声を上げる直樹。


「どうしたんだよ、直樹?」


蓮が聞く。


「お前ら……これ、知ってるか?」


直樹が蓮と二葉を見て、狂ったように言う。


「何だよ?」


不思議そうに蓮が聞く。


「行っても行っても、同じ部屋。エンドレス……出れねぇんだよ!ドアを蹴破るとか、そういう次元じゃねぇんだよ!終わったんだ!詰んだ!終了だ!」


その場にヒザから落ち、泣き崩れる直樹。


蓮は勢いよく立ち上がると、扉から次の部屋に入り、向かいにある部屋を開けた。


「……」


そこに広がるのは、絶望の光景だった。


同じ部屋……。


「そんなバカな……」


蓮は次の扉を開けた。同じ部屋。走って、すぐに次の扉を開けた。また、同じ部屋。


次第に、蓮の心臓は高鳴った。


気が狂いそうになったのは、5つ目の扉を開けたときだった。


「あ……」


思わず、声が漏れた。


5つ目の部屋にいたのは、二葉と直樹だった……。


思わず、振り返る蓮。


「何だよこれ……どうなってんだよ!」


気が気でない様子の蓮。


キョロキョロと辺りを確認しても、あるのは灰色の壁と扉だけ。


「蓮君……確か、出口の扉に行ったんじゃ……」


震えながら二葉が呟く。


「マジかよ……」