「二葉?」


「ん?何、蓮君?」


その声に二葉が振り返り、蓮に聞く。


「お前……攻撃を受けたのかよ?」


「え?どうして?」


「だって……上……」


その蓮の言葉に、二葉は頭上を見た。HPが、いつの間にか40に減っている。


確か、山を登るまでは50だったはずだ。


よく見ると、HPの色も、薄緑だったはずだ。


それが今は、血のように赤い色をしている。


「……あれ?」


二葉も、不思議そうに呟く。


そのとき、蓮と二葉の目が、確かに捕らえた。


ピッ……


「!」


二葉のHPが、39になった。何もしてないのに、1減った……


驚き、顔を見合わせる二葉と蓮。


「……どうなってんだよ……」


震えた声で、蓮が言う。慌てて自分の頭上も確認するが、薄緑で50のままだ。


どういうことだ……


そのとき、守が蓮と二葉の様子に気づき、振り返った。


「あ……」


守が二葉の頭上を見て、絶望の表情で声を漏らす。


「何だよ……どうしたんだよ、守!」


焦って、蓮が怒鳴る。


「二葉さん……毒……」


その守の言葉に、表情が曇る蓮と二葉。


後ろにいる直樹と渚も、二葉のHPの異変に気づいた。


「毒ってなんだよ、おい!」


蓮が眉間にシワを激しく寄せて守に聞く。