「……」


しばらく、沈黙が走る。


何も起こらない。それどころか、頭上に浮かぶTIMEすら止まらない。


だんだんと不安になってくる二人。


「あれ?どうなってんだよ」


居ても立ってもいられず、蓮は再びスイッチを押した。


だが、もう押している。それはわかっているが、スイッチを何度もバンバンと叩いた。


「くそ!」


蓮はその場所に何かないか、キョロキョロと確認した。


やはり、このスイッチだけで、あとは何の変哲もない行き止まり。


「……蓮君」


二葉が震えた声で呼びかける。


「何だよ?」


そう答えた蓮の声も、震えていた。


「もしかしてさ、スイッチって……何個もあるとか……」


二葉が何を言ってるのか、蓮は理解したくなかった。


「は……」


声にならない声を漏らした。


ゆっくりと頭上を確認する。


残り時間1分56秒。


……バカ言うな。時間がねぇ。


だが、その可能性の方が高い。


スタート地点からものの3分でゴールが見つかったのだ。


持ち時間は、12分。


このペースだったら、本来なら3、4個のスイッチを押せる。


「行くぞ、二葉!」


蓮はそう叫んだ。


諦めない。


最後まで、諦めてたまるか!


涙で、視界が歪む。そのときだった。


「あ……」


二人が同時に声を漏らした。


ガイコツが、目の前にいる。