アタシが彼と出会ったのは、夏の暑さが引き始めた頃だった。 学校から駅まで向かう途中で、声を掛けられた。 ただしくは、掛けられたのはアタシじゃなくて隣にいた友達だったけど。 茶色い髪で、さほど高くない背。 一言で言うなら華奢だった。