「ちょっ…沙織!?授業始まっちゃうよ?」 無言で遠ざかっていく沙織の背中を追いかける。 「ねえ、沙織ってば…!」 手首をつかんだ、そのとき。 『パシッ』 「…ごめん、触らないで。」 つらそうな表情をして、 走り去っていく。 私は、振り払われた手を握り締めて、 ただただ、彼女の後姿を眺めているだけだった――――――