「それで、別れたの?」 沙織が私の顔を覗き込む。 相変わらずあまり表情のない沙織。 いまいちなにを考えているのかわからないんだ。 「別れたっていうか、別れたいって言った。」 メールもしてみたけど、返信は来なかった。 ま、来るとも思ってなかったけど。 「…好きなんじゃなかったの?」 私の目をまっすぐ見つめる沙織。 その目があまりにも真剣で。 「んー、どうだろ」 あいまいに笑った。