『ん?腹へってんのか?』


いつの間にいたのだろうか。
小さなネコが足元で、ゴロゴロしていたのだ。


普通、ネコって警戒心が強いから寄ってはこないのに、それよりも強い、欲求が勝ってしまったに違いない。


カバンをゴソゴソさがすと食いかけのパンを見つけた。


『食いかけでよければ…。
ほなよ。』


小さくちぎって置いてやると、匂いを嗅いでうまそうに頬張った。