授業開始まで30分を切っている。 リンの家まで片道20分はかかる。 ヤバい……。 『ちょっと、電話してくる…』 俺は願うようにして、携帯電話を開いた。 勿論、相手は… 「なに?」 3コールで電話に出た持ち主は、少々不機嫌そうに俺に尋ねた。 普通なら学校の時間だけれど。 『今、家?』 「そうだよ。だから?」