右腕を強い力で後ろに引かれた。 突然のことで後ろに体が傾いてしまったが、何とか耐えた。 「アナタ、馬鹿?! こんな雨の中歩いているだけでなく、傘ないなんて。」 肩で息をしながら、自分より背の高い俺の上に傘を差し出したのは… 「今更だけど、ね…。一応。アナタ何考えてるの?その姿で僕の所にくるつもりだったの?!非常識だとか、思わないわけ?」 白い肌に黒い髪の毛が貼りついている。頬も少し紅くなって…。 ドキっ。 上目遣いで睨む瞳。 「ちょっと、聞いて…っっ。」