頭ではわかっているが、体がついてきてくれない。


地面は水玉模様からコンクリート全てが一色に変化していた。


充分時間があったはず。


だが、俺は未だに家に帰る事もせずにフラフラ歩いていた。


こんな雨の中、歩いている人はいない。それも傘をささないで…。


これが梅雨の雨なら、多少濡れても湿っぽいですんだかもしれない。


でも今は10月も半ば。
雨に濡れば、当然体温も奪われるに決まっている。


『はは、何やってんだろ。こんなんじゃ、今日は無理かな…。』


そう独り言を呟いた。そのとき…