俺が中に入ると
中にいた奴等が一斉に俺を見た。
その中で一番堅いがよくイカついヤツが、俺の方に近付いてきた。
「おい。ガキが何のようだ。
早く帰ってねんねしな。」
「「「「ギャハハハハ!!」」」」
「………ジンは?」
「ああん?貴様…何者だ?」
「…。」
「おい、答えろや!!!!」
男が俺の胸ぐらを掴みあげた。
その時、奥の扉から一人の金髪の男が出てきた。
「樹か?」
「…。」
俺は黙ってうなずいた。
「何やってんだ、お前。」
「…捕まってる。」
「はあ?サッサと入ってこいよ。
ジンがお待ち兼ねだぞ。」
「あ、あの~悠斗さん。
お知り合いっすか?」
俺をつかんでいた男が
少し驚いた様子で聞いてきた。
「ン?ああ。お前らは初めてか。
コイツは樹。ウチの幹部だ。」
「「「「ええ!!!!?」」」」
「で、でも、幹部の人は写真で見ましたけど…こんなガキなんていなかったっすよ?」
「はっ?いたぞ。一番上に…」
「えっ、じゃぁ、コイツ…いや。
この方が“憐華”…?」
「そっ、」
「「「「えぇぇぇ!!?」」」」
そこにいた全員が俺の方を見た。
「でも、コイ…この方は男ですよ?」
「“憐華”が女だと誰がいった?」
「…うそ~ん!!!!」
何か…ムカついてきた。
早くジンの所に行こう…
「悠斗。俺、行っていい?」
「おお、いいぞ!!」
「じゃっ…」
俺は奥に入っていった。
「悠斗さん。何で“憐華”って言うんすか?もっと、男っぽくてもいいんじゃ…」
「“可憐に華を咲かせる”から“憐華”。
アイツが立ち去ったあとにはな、華が咲くんだよ。」
「は、な…ですか?」
「そっ、真赤な華がな…。」
「そ、それって…まさか…」
「ああ。血の華だよ。」
「「「「………!!」」」」


