華ノ色は…




「で、何の用できたの?」
「あれ?
昨日、ジンさんに聞きませんでしたか?」
「はっ?ンー…
《若いヤツをつけるから》
ああ~。アンタが“若いヤツ”」
「そうっす!!」
「………いくつ?」
「えっ?」
「とし。」
「ああ。19っすよ。」
「…見えない。」
「あはは、よく言われます。」
(どー見ても十代には見えない。)
「憐華さん。今日は佐々木美保んとこに行くんでしょ?」
「そのつもり。
でも、昼から部活だから
それまでには帰ってくるけど…」
「ターゲットの確認ってことっすね。」
「そう。」
「じゃぁ、早速行きましょう!!憐華さん。」
「…あのさ。
“憐華さん”って呼ぶの辞めてくれる?
“樹”でいいから。敬語も辞めて。
淳の方が年上なんだし。」
「分りました。“樹さん”と呼ばせていただきます。ただ、敬語は辞めれません。俺はまだ鴉では下っ端っすから。」
「分ったよ。
ちょっと着替えてくるから待ってて。」
「はい!!」
「あっ。あと、グラサンはとってね。」
「何でですか?」
「目立つから。」
「そうっすか?」
「そうなの。
ホントはスーツも着替え欲しいけど、俺の服は絶対アンタ入らないから…。
せめて、グラサンだけでもとってもらわないと、分った?」
「はーい。」

淳は少し残念そうな顔をしながらグラサンを外した。

「よし。」

俺はそれを確認すると
急いで自分の部屋に上がった。