~♪
翌朝、俺は電話の着信音で目が覚めた。
「…はぃ?」
<<あっ、憐華さんっすか?>>
「…そうだけど、誰?」
<<俺、淳(アツシ)っていいます。>>
「淳?」
<<ほら、昨日…
憐華さんの胸ぐらをつかんだ…>>
(ああ。あの大男か…)
「はいはい。で、何の用?」
<<あの~。
今、憐華さんの家の前なんで
入れてもらえませんか?>>
「えっ?」
俺は窓から外を見ると
茶髪にグラサンで
バッチリ上下を黒のスーツできめた男が立っていた。
(あ、怪しすぎだろ…。)
「すぐに開ける。」
<<はい!!>>
俺は部屋着のまま
玄関のドアを開けた。
「お、おはよーございます!!」
「ぉはよ…入って。」
「お邪魔しまーす!!」
「っ…。声がデカイ…。」
「あっ、すんません。」
俺は淳をリビングに案内した。
「憐華さん。このデカイ家に独りっすか?」
「うん。」
「失礼っすけど、ご両親は?」
「知らない。会った事ないから。」
「えっ!!?」
「紅茶でいい?」
「えっ、あっ…はい。」
「…。」
「…。」
カチャカチャ…。
「はい。」
「あざーっす。いただきます。」
「…俺ね、ジンと出会うまで
施設で暮らしてたんだ。」
「そーだったんすか。」
「この家も俺の生活費も学費も
全部、ジンが払ってる。」
「えっ!!?あのドケチのジンさんが?」
「そっ、ビックリでしょ…」
「はい。」
(って、俺は何話してんだろ…。)


