出来心だった。 春に見つけ、ずっと遠くから見ていた少年が、ある日保健室を訪れた。 夢のような事態に私は内心喜んでいた。 喉が痛いから薬をくれと言った彼が欠伸を繰り返す様を見て、休んでいく?とベッドを差し出した。 彼は嬉しそうに昼寝を始めた。 私は、それを眺めていた。 少しだけ、と微かに寝息をたてる相良くんに触れた。 彼は起きなかった。 しかし突然腕を引かれたかと思うと、視界が反転した。